【石焼き芋ヤ】

【石焼き芋ヤ】

最近、次女は石焼き芋にハマッている。

「焼き芋ぉぉぉ」「石焼き芋ぉぉぉ」と
声がすると、家を飛び出しモウダッシュで
焼き芋を買ってくる。
（最近、車で流すから過ぎ去るのも早い）

200メートル走でもするように
家から坂を一気に駆け下りて、クルと90度曲がって！
えぇぇぇぇぇ　何処まで行くんだよぉぉぉ

早い　早い　
「鳥だ！ 飛行機だ！ スーパーマンだ！」
と飛んで行く。

ある日の夕食後
「焼き芋ぉぉぉ」「石焼き芋ぉぉぉ」と声がする。

娘は、茶碗をカタンと置いて
スックと立ち上る

エンジン　バリバリだゼぇ

パパは、慌ててジーパンの裾を押さえこむ
「まってくれぃ」
「今日はいいじゃん！」
「いらない　ょ」と説得を続け

すると玄関のベルが　
ピンポン　　ピンポン　ピポ　ピポ　ピンポン　　

焼き芋屋さんは家の前に止まったのか
「焼き芋ぉぉぉ」「石焼き芋ぉぉぉ」の声が
連呼して　連呼して　繰り返し　繰り返し　リフレイン
して流れている。

息子は、すかさずにインターホンのボタンを押して
「間に合ってます」言ってボタンを消した。

そう、息子は、焼き芋屋さんだと思い込んでいる。

それでも　ピンポン　ピンポン
鳴り止まない玄関のベル。

焼き芋屋さんの声は、まだ我が家の前で
リフレインを続けている。

息子は、
「シツッコイ焼き芋屋さんだなぁ」と
言い
「シツコイ」と大声を出してから
「パパ玄関に出て断ってよ」と　私に振って来た。

おいおい　そこで　俺かよ？

ブツブツブツと口の中で文句を言って
私も仕方なく玄関に出てみると

えぇぇぇぇぇぇ
想定外　想定外

其処には、習字の先生が立っていて
その横には　息子さんが座り込んでいる。

習字の先生も
少し怒り顔のパパに、たじろぎ　後ずさりして
「すいません」「すいません」
「こんなに遅い時間にすいません」と
申し訳なさそうにお辞儀をする。

そんなに遅くない時間なのにバツの悪い私！
おいおい　どうするの
この状況　！！

その時すでに焼き芋屋さんの声は、
遠く彼方に消えていた。
「焼き芋ぉぉぉ・・・」
「石焼き芋ぉぉぉ・・・」

冬の温もりを主に感謝　ハレルヤ　エーメン

［ボイスプログ］ジョシュア四十四
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