【パパが電車に！】早朝出勤

【パパが電車に！】早朝出勤

窓の木漏れ日に「もう　朝　ョ〜〜」と
ママの怒鳴り声が響いた。

そして、
ＭＡＸに、
ご機嫌(きげん)、極まりなく悪く、
娘は、うな垂れて　起きて来た。
(知的障碍を持つ娘は、半端無く不機嫌なのだ。)

朝食も真面に食べること無く
言葉を捨てるように
「行ってきま〜〜す」と
怒鳴り玄関を飛び出し行く娘・・・

パパも、慌てて娘を追い駆けて玄関を
飛び出して行った。

そして娘に、
「一緒に駅まで行こう　ょ」とパパは
声を掛けたのさ・・・

すると・・・
不貞腐れ(ふてくされ)る娘は、
宣戦布告(せんせんふこく)と受けたかのように？
火に油を注いだように「やぁーだ　ょ」
「一緒に行きたく〜〜ネ　ょ」と
パパに背中を向けて反対方向へと歩き出す。

オイ　オイ　それって
荒野の決闘かぁぁぁぁ
パァパァ〜〜　パパパパパ　パァ〜〜　
パパパァ〜〜　〜〜

マカロニウェスタン！
ＯＫ牧場の決闘！
ピロリィ〜〜　〜〜　ン

結局、パパも、娘の腹立つ態度に
正道の近道で駅に向かい
娘は、反対に遠回りの道を選んで駅に進んだ。

(パパの妄想は、パパが先に駅に到着して、
遠回りして後悔し悔しがる娘のイメージ。)

正道と遠回りの道が接して一本道となる地点・・・
何時ものオバちゃん二人が今日も道端で
井戸端会議をしている。
その、足元には何時ものワン子が　
ワン　ワン　ワン！

前に見えない娘の姿に、
パパは、シメ　シメ　
ウッシシシシシ　
妄想どおり　ダントツのリードの勝利
だゼ

すると、後ろの方より
ワンちゃんに話しかけるオバちゃんの声が
響いた。
「何時ものお姉ちゃんが今日も来たネ」
ワンちゃんが
ワン　ワン　ワン！

パパが振り返ると後ろでは、娘がワン子に
「可愛いぃぃぃ」と声を掛けては、
頭をスリスリなぜている。
ワン　ワン　ワン！

そして、パパは早足にリードを守る！
迫り来る　娘の足音・・・
距離が縮まる！
ヤバイ　ヤバイ　(携帯の呼び出し音)

それでも　パパは余裕だゼ
先の信号機は、娘は足止め　其処で再び
距離を広げてパパの完全勝利だゼ
シメ　シメ　シメ

距離をつめては離す争奪戦(そうだつせん)！
デットヒートのクラッシュに娘がパパを
追い抜いて行く。
娘はSuica(スイカ)で　改札スルー
パパは券売機で　モタ　モタ　モタ
タッチアウトに
オイ　オイ　オイ　娘のヤツ　そんな手も使うのか？
エレベーターで距離を離された。
パパはエスカレーターで歩き出す。

ホームでは、
パパに「来るな」と乗車口を動き
迷路！　迷足！　迷走！
パパは、反対車線の電車に乗ったフリをして
ホームの角に隠れていた。
そして、電車が来て娘の隣のドアから電車に
乗った。

又もや娘に見つかった・・・
娘は、車内を移動　
一車両移動して　更に移動　三車両移動して
座った。
パパも追い駆けて少し離れた外国人の大柄の
男の人の陰に座ったのさ

遠目に娘を見るパパに
何故か涼やか(すずやか)な周りの女性の目線？？
二駅も過ぎたところで、やっとその意味が分かった。
車長さんの車内放送　
「ただ今の時間帯を持ちまして
女性専用車両は終わりました。」
そう、パパは娘に着いて何時しか
女性専用車両に乗っていたのである。

娘が下りる駅に着くと
娘は、私に向かって人に聞こえるほどの声で
「アッカン　べー」をして
ホームへと下りて行った。

車内では、パパに向けられる痛い視線・・・
どうも　二十歳の子を狙うストーカーの
ようにも思われていそう？
辛いゼ
ワイルドじゃ無いだろ
オョョョョョ　
この目線が　寒すぎるゼ




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