【嫌悪感と渇望感に苛まれて】

【嫌悪感と渇望感に苛まれて】

嫌悪感(けんおかん)と渇望感(かつぼうかん)に
苛まれ(さいなまれ)て朝を迎える。

天気予報は、今日の天気が晴れだと言うのに、
空は　どんより　と曇っている。
一昨日(おととい)降った白い雪が、グレーに
照らされ、底冷え陽気を覗かせる。

娘は、寒さに文句(もんく)たらたらと眠い
御目目を擦り擦りし起きて来る。
ツ～ンと　しかめっ面で拗ねて(すねて)見せては、
ワインカラーの白米を頬張り味噌サバに箸(はし)
を置く。
インスタントの味噌汁から柔らかい(やわらかい)
湯気が上り、部屋の空気と渦を巻く。

外(おもて)の声が窓を叩く
「そろそろ行かないの！」
「そろそろ行かないと？」
「そろそろ娘を駅まで送ってあげなょ」と・・・

冷えた空気に飲まれるように
車のドアを閉めて乗り込む。
寒さ張り付くジーパンの股に冷たさ走って
背中に伝う。
スイッチ　ＮＯ・・・
エンジンが唸りだして
サァァァァ　行こう　今日も始まる。
ハレルヤ　エーメン


ワインカラーの白米
(ご飯が直ぐに固くならないようにと少しワインを
混ぜて炊いた。)　


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