【お爺ちゃんの朝食】
12月17日(金曜日)の朝のこと・・・
次女と息子が眠い目をコスリ コスリ
起きてくる。
「あぁぁぁ 今日で今年も学校、最後かぁぁぁ」
いかにもオジン臭い言い回しで、ため息混じりに
呟いている。
そう、妻と子供たちは、明日から台湾へ行く。
九十歳になる、お爺ちゃんは、キッチンに入り込み
何かを作っている。
しばらくして・・・
朝食の食卓に焼きジャケとお粥が並ぶ・・・
北海道出身のお爺ちゃんの最高級な朝食だ!
次女と息子が食卓につくと、お爺ちゃんは、
孫たちにペッタリで魚を解す(ほぐす)している。
「これはネ こうして食べると美味しいんだょ」
「これは、北海道の美味しいシャケなんだ。」
「なかなか食べられないのだからネ」
一生懸命に孫たちに話しかけている。
優しく 優しく 暖かく 柔らかな口調で
話しを続ける。
孫たちは、大きな大アクビと共にお粥を頬張る。
モグモグ モグモグ 無言で頬張る。
眠い目をコスリ コスリ 頬張っている。
お爺ちゃんは、次々と魚を解して、子供たちの
お粥の上に乗せて行く。
お爺ちゃんが呟く・・・
寂しそうに 「明日から行っちゃうネ」と
「今日の夜には、クリスマスやらなくっちゃネ」と
次女と息子が笑顔で頷く。
シャケの皮を取り合って、千切れた皮を口に
含んで、息子は不安そうにコウ言った・・・
「今日、通信簿も持ってくるんだネ」と
そして立ち上がり玄関の方へと進んで行った。
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